ジェンダーを切り口に社会にどんな問いを立てていけるのか、グラフィックデザインの可能性を探ります。
特集:フ ェミニスト・モーメント ジェンダーから考えるグラフィックデザインの可能性
現代を生きる人々の多くが、性別を問わずフェミニズムやジェンダー問題を身近に意識する、あるいは当事者として直面する「フェミニスト・モーメント」を経験している。
そうしたジェンダー不平等を抱える社会に対し、わたしたちはデザインを通じてどんな問いかけをしてくことが出来るのか。
本特集では、韓国で行われた女性デザイナーによる意欲的なプロジェクト・展示企画の紹介を起点に、日本、アメリカ、ヨーロッパの新旧女性デザイナーたちによる実践を紹介していく。
しかし、本特集に登場する女性デザイナーたちは必ずしもフェミニストであるわけではなく、全員が意識的にジェンダーの問題と対峙しているわけではない。
当然ながらジェンダーにより特定の形やデザインスタイルが規定されることはなく、本特集もまた、ジェンダーとスタイルを結び付けるようなことは意図していない。
つまるところ、これからのグラフィックデザインの可能性を考えるうえで、女性や男性といった括りを設けることは、それ自体意味をもたない行為であり、デザインの作り手も受け手も、括弧付きのスタイルや、括弧付きの何かに縛られる必要はないのだろう。
本特集では、企画そのものにあえてジェンダーバイアスを設定することで、そんな当たり前に立ち戻ってみることにした。
そのうえで、今わたしたちは社会に対してどんな問いを立てていけるのか、デザインの真価が問われている。
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